静かに、確かに。

日常の機微を綴ります。

北へ

北へ 北へ

 

踏み込むアクセルの加速

心の焦燥感との溝の深さ

 

北へ 北へ

 

浅い睡眠に眼精疲労

気休めの音楽で飲み干す水分

 

北へ 北へ

 

遠く離島の原風景

旋回する風車の羽 佇む原子力発電所

 

北へ 北へ

 

潮風が髪を掻き上げる

高波が岩肌を穿つ

 

北へ 北へ

 

自ら断ち切った退路

重ねた罪を轍にして

 

北へ 北へ

 

君がいたであろう街を尻目に差した晴れ間

僕は向かうその先へ

 

北へ 北へ

 

さようならはもう伝わらない

それなのにまだあなたに会いたい

 

北へ 北へ

 

ごめんねももう伝わらない

だからあなたの面影に会いに行く