静かに、確かに。

日常の機微を綴ります。

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

AM3:00

久々に話そうぜ 俺が珈琲を淹れるからこうやって話すのはいつ振りだろうな昨日の事のような 数年前の事のような募る話があるんだ ゆっくりしていけよ 先に湯を沸かして 豆を粗く挽こうどうだ 良い趣味してるだろお前は知らないよな 俺が珈琲を好きになった事…

有明行燈

純粋無垢な冬を夢想する あたり一面が銀世界になって 二度と戻ることのない雪景色を空想する 願うのはいつだって闇の中にある光だけ 数奇的な田舎の夜空を思い浮かべて 幾何学的な都会の夜景に想いを馳せて もうすぐほら朝焼けがやってくる じきに太陽が笑顔…

あきかぜ

枝先の葉が千切れる瞬間を瞬きで見過ごした 君の目尻は切長で懐かしい温かさと冷たさで 見惚れた僕の頭上を上滑ったのは先ほど千切れた枯葉だった 僕は色付く前の紅葉が好きだった 木枯らし吹けや 桐一葉笑う僕は 昼行灯 さすらば流離え 青天井笑う君は 風来…

空空

「自傷的な空だ」と白い息を吐いた 10両編成に揺られる人々を見限る この街を去るまで 残り数日 僕自身が脱輪するまで 残り数日 電車を降りると 冬の土の匂いは 僕にとどめを刺そうとする 僕にとどめを刺そうとする 差し迫った未来屑 押し黙った雨映え それ…

ビバインリビドー ※一部

機会を得られた瞬間に消失する 僕の性的倒錯 性的衝動 満ち引きというのはその程度のもの 実態なんか在りやしない ビハインリビドー ビハインリビドー 淫らを汚さぬ獣に用は無い 狂うアノミー 出しゃばるラブソング 怖気付いた繊細さは置いていけ 駆け引きと…