静かに、確かに。

日常の機微を綴ります。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

6.30

// 常夜灯と珈琲の香りがミスマッチ残余乱視に霞む視界に苛立ち フランネルに濾された液体は須く滑らかな舌触りなのに 歪な形をした僕の眼の中の宝石を憂いて 瞬目視界がまた霞んだと思ったら 昏天黒地常夜灯はショ|トした 一〇〇

6.29

// 露光 彩度 コントラスト必要十分な 居心地の良さ 遠くのビルは鮮明で夜道はどこまでも澄んでいてもっと遠くの星座を眺めていたら思わずシャッタ|を切っていた 一六〇〇光年先の トラペジウム僕は世界の裏側を見ようとする 一〇〇

6.28

// 夜盲症の愉快犯海鳥の群れが瓦解するかの様に地図の等高線が霞んで 凱旋通りで不貞腐れ解脱者の脳裏は虚言に塗れ濡れ衣着せようにも 人を呪わば穴二つ 慢性的なのか定性的なのか 頑固なのか意地なのか彼の心に夜叉が棲む 一〇〇

6.27

// 夏の夜風に両手を広げて綱渡るモルフォチョウ 日食は見られなかったが夏至ではあっただろうかこの夏の頂点を折り返して 天球儀の天秤により篩に掛けられその眇眇たる誤差に頭を抱えるその名はリブラ リベラル ライブラリ 一〇〇

6.26

// 多次元な平行線の中を 流離うだけの奇譚物見遊山な正義感を連れて大衆から欺瞞だと 謗られるが関の山 どこまでも相対的な空を眺めて己の天涯孤独な誓いを 頭の中で復唱し見えもしないクソッタレな概念と 僕は闘う 僕は闘う 一〇〇

6.25

// 背筋を流れる汗がなだらかな勾配に沿って舐めるように流れ落ちる それが天の河のように美しい訳でも無く蒸し暑さに舌を垂らす野良犬が如き無様で 愚の骨頂だと嘯き詰め込まれる朝の満員電車は夢見る銀河鉄道には程遠い 一〇〇

6.24

こんにちは、久々に普通の日記です。 3日前にまたひとつ歳をとりまして、24歳になりました。 毎年、誕生日と言うのはとても複雑な気持ちになります。 それは自身の成長と遠くなる日々、それぞれの実感が促す些細な気の迷い、それによって生まれた感情の重心…

近視

‪ 僕の焦点距離は0.5メートル‬‪君と向き合うこの距離感‬ ‪少しでも遠退けばぼやけて霞んでしまうから‬‪少しでも顔を寄せて近づける‬ ‪でも君は煩わしいなんてぼやくから‬‪仕方なく僕はぼやけた世界に戻るんだ‬‪一人の世界に戻るんだ‬ ‪-2.00ディオプター‬‪逆…

夏のせい

「例年より 暑い夏になるでしょう」 テレビニュース 毎年恒例の常套句 いつになく重い身体 時間をかけて寝たとて取れない疲れ 月曜日の朝に引きずり 太陽の下 時間に追われて転がり出た 年季の入ったあの寝床 やはり良くないのだろうか そんなことばかり考え…

6.21

// 自身の所在を言葉に自身の思考を音楽に自身の未知を色彩に 其々託し 置き去りにしこの旅路は幾度と死地を乗り越えてきた 諦めきれなかった私の世界の静かな始まりと私という人間の確かな終わりを認めて 空と言説 空と言説 一〇〇

6.20

// 漣 鼓動 君の音寄せては返し 耳を押し当て温度を持った波打ち際 脈動は世界の律動 そこに根を張り 空を突き破る舞い上がるは 螢の光 命の光 ずっと変わらず そこに在る空はいつまでも蒼ければいい穏やかなまま そこに在ればいい 一〇〇

6.19

// 掴みあって転げあった立石の公園世界の広さに自覚的であった僕等は苛立っていた 競り合う二人は互いに憧れと焦燥と負けたくないという意地を抱き その熱の尾鰭を引いて見る静かな諏訪の水面を前に存外 穏やかな風が吹く 一〇〇

6.18

// 刹那吹く風 風鈴がちりんと鳴った母は怒鳴った爽やかな夏に 似つかわしくない僕はアイスクリ|ムを頬張りたい なんて考えた 母の平手で仰け反ったやはり爽やかな夏に 似つかわしくない今に見てろ風鈴がまた ちりんと鳴った 一〇〇

6.17

// 白ばくれたワンル|ム僕を生かすのは 一杯の珈琲 初めて淹れてくれたのは 君だったか 贔屓にしている ミルやドリッパ|そのひとつひとつを撫でてはどれもこれも 君より後に出会ったもの 跡を追えど 君に辿り着きやしないのに 一〇〇

6.16

// 一人の部屋 僅かな音が劈くように響く身体を過度に強張らせ 心が蝕まれる もう全部嫌になって爆音を耳に宛てがい過敏な感覚を鈍麻させる 時期に平衡感覚も無くなって宙を浮く意識が遠退いて漸く我に返った私は 私を叫んだ 一〇〇

6.15

// 都会の空は狭いな なんて言うどうだろう僕等の背は伸びたんだ 空は近くなった筈だとしたら俯いて歩かせる その感情の八つ当たりそうだろう空は変わらず そこに在る 除け者にしてきたのは僕等の方だ変わったのは僕等の方だ 一〇〇

6.14

// 身内どもの馬鹿笑い使い古された常套句が半ば呆れながらも居心地が良いのは出来の悪い僕等のまま 肯定されるから 僕等は随分賢くなったそれと引き換えに失われる感情に焦りしかし失いたくは無いとまた約束を交わすのだ 一〇〇

6.13

// 夏のせいに仕立て上げる名付け知らずの感情 その出生の数々に僕等は言の葉を添えられるに過ぎない 喧しいだけのラブソングが溢れて今日もこの世界の裏側では星殺し 星殺し それさえも夏のせい君が知らなければそれで良い 一〇〇

6.12

// 君が残した歌全く陰気臭くて敵わないが君に会えるので 存外 嫌な気分でも無いんだ 優しい背後霊なんて いやしないから君も大概 例に漏れず 自分勝手の延長線 それでも僕が一人泣いて 君を呼ぶ夜は一緒に居て欲しいと思うんだ 一〇〇

6.11

// 一枚一枚千切っていく旅立ちへの荷物を少なくする為後悔を断ち切る為 千切っている筈が千切られた気になるのは強ち間違いではないのだがこの季節は癪に障る だって美しい景色は私を置いていくから旅立ちなんて嘯くから 一〇〇

6.10

// 早朝の歓楽街は伽藍堂欲に塗れた獣共 その寝息という寝息夜は避けて歩くその道を 擦るようにして歩く それは昨日の自分への慰めで今日を生きる自分への叱咤で明日を纏う君の残した影踏みだ 何の意味もない 何の意味もない 一〇〇

6.9

// 最後の旅の目的地渓谷は空気が詰まると思った そんな事ないんだな風圧に髪が掻き乱される 風任せ 風任せあんたには掻き乱されてばっかだ 勇ましいのは結構だが最後くらい俺の嘘を見破ってくれよ強がりが得意なもんだから 一〇〇

6.8

// 斜陽の空 渡鳥と共に行くイコ|ルでは無い 僕等の最後の旅 誰が為の行動が 裏目に出る人生ゲ|ムの外れマスにいるかのような今日この日 対岸に君を置いていった 陰陽には必ず 境界線が存在するんだ僕の覚悟は 陽に背を向けた 一〇〇

6.7

// 期限切れの想い出は 腐臭を放っている立ち上がろうにも 僕の足もすでに腐っている這いずる気力があるだけまだ屍よりは生きていると言えるのか やっとの思いで開けた窓相変わらずの腐臭だが想い出は清々しい顔をしている 一〇〇

6.6

// 道端に泥水が溜まり雑踏の中 切れ間を覗かせた酸性雨に口を開ける 必死の雛鳥ような人々が避けて歩く其処が 世界の流れ着く先だと誰が知り得るだろう そこに投げ込むのが 舌打ちでなく鼻歌なら空は泥水を乾涸びさせるのに 一〇〇

6.5

// 好きだとか 一生掛けて愛しますとかそんな言葉が言えたならいい真っ直ぐ目を見て 言えたならいい 安っぽい言葉を並べ立て口から出任せに縋らせる程の度胸が無いから 泣いた未来は愛想を尽かしたそう それでいい それでいい 一〇〇

6.4

// 早朝 バスロ|タリ| 待合室ベンチ 君は蹲っていた直ぐに駆け寄り 声を掛けるべきだったが飛行機雲の棚引くように その姿は僕を惹きつけた 気付かれてはならない 彼の幸せはここにはない ごめん待たせた の為にひとつ息を吸う 一〇〇

6.3

// 部屋に響く秒針の音 寝不足と弱虫とが同居 居心地の悪さを感じながらも 鈍感な振りそれも悪くないと強がって 打った寝返り 夜風以外は優しくない こんな見窄らしい部屋にさえ朝日は僅か照らす 全く眩し過ぎるんだ 君の笑顔は 一〇〇

6.2

// 逆剥けた感情は 道端の隅に放り捨てたそれが雑草となって根を張る頃には 微温い風が吹いて軈て夜が来た つまらない つまらないって 不貞腐れてそんな自尊が釣り合う訳も無く夜明け頃 雑草は枯れた それさえ尊かったんだもの 一〇〇

6.1

// 自惚れを口にするには 気が遠くなる彼の言葉は呪詛のようで 解放宣言であった雁字搦め 囚われの自己嫌悪その鎖の僅かな錆に 亀裂を入れた 生きねばならない 不幸だと追い込んだ 我が身こそが幸福だと何処か遠くの彼に 示す為 一〇〇