静かに、確かに。

日常の機微を綴ります。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

5.31

// 君が来るというから 久々の休日に胸を踊らせる 最寄りの公園は 青く 広く 清々しい子どもたちは燥ぎ 大人たちは心休ませるきっと君も気にいると思うな 途中でスコ|ンでも買おう白い雲も疎らな晴れた日 幸せは僕等の手の中に 一〇〇

5.30

// 夢を見た 遠く故郷の夢これが旅路だとしたら まだ中間地点そう今は唯 小休止 貪って 貪って 貪るものが無くなって帰る理由なんて 要らなかったのに帰る理由まで 喰らい尽くして 泣き言 懺悔 ひとつまたひとつ重ねて 数えて 今幾つ 一〇〇

5.29

// 彼の微笑みは悪戯心を擽る悪態を吐けば僕等の夜は更けていく 暁を望む埠頭工場地帯は煙を吹いて僕等の旅路に帆を揚げている 掠れたコンタクト 瞬目 馴染ませて冷静な頭で馬鹿な夜を抜け出したまったく馬鹿はどっちなんだ 一〇〇

5.28

// 真夏に恋しくなる 真冬の景色の中 月明かりの下 舞っている雪は子どもの足取りで美しくもなんともなかった そいつが大人になる頃には日光に肌が焼けて褐色の上 流れる汗が太陽に照らされた 真夏が恋しくなる 真冬の景色の中 一〇〇

5.27

// 呆れる程に 蒼い空 嫌いな奴も 愛しい人も 憎らしい奴も 大切な人も 一人一人と消えていく 呆れる程に 蒼い空 いっそ何も得られなければ良い そんな空虚を抱かせれば良い 呆れるぜ 蒼い空 なんて口走ったら 泣きたくなったぜ 蒼い空 一〇〇

5.26

// 振りかぶった彼の目は真っ直ぐだった 僕は眼を奪われていた そんな僕を彼女は覗き込んだ その微笑みには応えられなかった 彼も彼女も 突いてくる 心の深く脆い所 思い出なんて消えてしまえ なんて 口が裂けても言えるかよ 馬鹿 一〇〇

5.25

// 不自由の中の自由さ 自由の中の不自由さその狭間の不可侵領域で もたつく感情の不協和音 鏡面すれすれを水平飛行額の汗は自由の象徴 不自由の勲章映す姿は陽炎よりも淀んでいる 空には棚引く入道雲気が付く頃には 夏が来る 一〇〇

5.24

// 車輌の隅 車窓の染み 遠くに夕陽手持ち無沙汰な帰宅路 もうすぐ夜がやってくるというのにやり残した想いは数知れず 乗り換えの三鷹駅 志半ば 擬かしさを恨み 遠くから子どもの声とカレ|の匂い道半ばの今日も明日に託して 一〇〇

5.23

// 静かな夜 喧騒が恋しくなる夜 天邪鬼な夜何だか眠れなくて寝返りを打つ 本当に欲しいものは 何だろうな 好きな曲を聴く 優しい映画を観る思った事を綴ってみる それを伝えたくて君を見る 小さく笑って呟く その笑顔だ また明日 一〇〇

5.21

// 五月雨の朝ドリッパ|から滴る焦色の憂いの一つ一つその全て看取るなんて出来やしないが蔑ろにしてしまえばそれまで 世界に優しくなんて思わない世界は優しくないから 世界を見放そうとも思わない世界は見放さないから 一〇〇

ラストノート

萎びた枕元に 一筋の残り香 あなたが出て行って 丸一日 置いていかないで 一人にしないで そう呟いて深く顔を埋める ラジオから流れるラブソングは 夏の恋を歌う 決して色褪せることのない 夏の恋を歌う 思い出したのは静謐な空間 触れた髪の毛 揺らす鼓動 …

5.11

// 淡い色彩 靄がかった体裁人以外が見せる無機質な微笑みに切るシャッタ| 幸福と不幸の狭間 連帯社会に蔓延る鰥寡孤独と家族愛 自分にだけ見えている景色貴方にだけ届けばいい気色 切り取ったSOS つまりこれはラブレタ| 一〇〇

5.10

// ここしばらく 僕 が不在しばらく と言っても数日なのか 数週なのか 数ヶ月なのか 数年なのか定かでない唯ひとつ確かなのは不在 であって 消滅 では無いという事 だってほら 踏切の点滅の 赤 に焦っている内はまだ大丈夫でしょう 一〇〇

5.7

// たんぽぽの綿毛が空に舞い上がり雲と同化した見分けをつけようと目を細めて種子の影を追っていたら遠くに鳴くカラスと見間違えたよ止まり木に泊まる綿毛なんて有りやしないよな消えた種子お前はどこへ行ったんだろう 一〇〇

5.1

// この街 最も空に近い 屋上庭園背広とマスク越し 流る汗日傘 シャボン玉 木漏れ日の下少年は暑いと喚く鉢の中 コスモスは色とりどり 淡く眩い景色萎びた塩パン 片手に持て余し雀羽を広げ 微風肩を叩く 全て告げている 春の去り際 一〇〇