静かに、確かに。

日常の機微を綴ります。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

8.31

みみっちい豊かさに身の程も弁えず牽制する統制 絶世の憂世 ‪思考に何もかも追いつかないランドルト環が示す道標雲霧に紛れ条件反射 もどかしさを抱えても往生際の悪さには定評がある孟秋のバスに揺られ見る世田谷の街

8.30

待宵の月 遠慮がちな日陰道 異常 過剰 と曰うは せせら笑いの山茶花と急がば回れ と曰うは 伏して見つめる椿かな 流転する万物の様局所的ならば遅い変化なれど総て延べれば語るに足らず 急くな だが 留まるな今は唯 自己研鑽の時

8.29

この瞬間に出逢えた喜びいつか終わりが来る寂しさ 君は前者にその身を投じ僕は後者にその身を強張らせ 合わない歯車が軋む様な笑顔に痛む胸 枯れ去り際に 捨て置くならば 嘘偽りは無い この言葉を君をただ 愛している

8.28

会った事もない想い人の様な微睡っこしさで番傘の朱が目を惹く際立ちで微弱な情動がさんざめく あれは本当に僕の感情だろうか 海が燃え上がる時想いが灰になる瞬間を悟るそのあっけなさがどうも僕の物とは思えないのだ

8.27

形容し難い未来図重なる憚る屈辱 燻る痴情 忘れ去れずその端々が織り成すパッチワーク ダイアモンドの中 時は遅く進む内側からの景色なんて雑多な万華鏡の如く目も当てられない いつかこの外に飛び出す美しき殻を打ち破る

8.26

日の入から日の出まで街灯に照らされる僕等の影死神の如く見張っているのは近隣住民の閑静な平和主義 命短し 火花は尊し その数多たる星に僕は何時までも願うだろう ‪暗順応に薄くなる後悔いつの日か きっと晴れるといい

8.25

寂れた街並 多弁な街路樹 家出の路地雨上がりのコンクリは馨しい息苦しいと逃げ出したんだから当然か 握りしめた御年玉 僅か三千三千世界を渡るには無謀と知り得ぬ年の瀬 不慣れな唾を吐いて強がった少年に夜の帳が落ちる

8.24

無言の回答に一杯の珈琲を躊躇いの口付け 強引な憂い重ねる快楽に 時間の概念は一石を投じる 本心から最も遠くに在る本心心の準備 未完遂の痕跡 見間違えただけの信号機 遮る日差しは兆し急く心を 知って抑える 僕はヒグラシ

8.23

人の表情その機微に具現する静かで 確かな 想いの全て 僕には知り得ない 未知数として僕は触れていたい その温度に 目尻が下がる 口角が上がるその瞬間さえ見逃さなければそれで良い だって人の笑顔ってのは こんなにも美しい

8.22

生温いジャスミンの甘い香り大久保の街 ガラ人間がのさばって歩く僕は逆さ目立つ灰色 彼の為になる行動を出来ただろうか 出来るだろうか あの頃と変わったと実感したくてあの頃と同じ道を歩く馴染まない様に 溶けない様に

8.21

明日になれば僕はまた過ちを犯す望む未来は俄然遠退く 薄っぺらい言葉達は喉元痞えて多弁な僕を寡黙に見せる 明日になれば 今日が終わり明日になれば 明日が始まり明日になれば 昨日が積み重なり 僕は過ちを犯して 僕となる

8.20

僕が笑ったら君が笑った鏡に映るかの様に僕の目に映った 差し押さえの水道ガス電気 通信制限峠を越えた見様見真似の憂さ晴らし ‪‬生きにくいと声を漏らしてしかし僕等は笑い合える 人一人救えるだけで僕等は肯定される

8.19

青空の下 自転車で一本道を滑走するいずれ終わりが来る一本道を滑走する 白シャツは汗に透けてその体躯は加速度を内包して滑走と言うより滑落しているのか 要らない 要らない こんな希望なら車輪の轍は自己矛盾を両断する

8.18

僕等が青春と呼ぶそれを下劣だと蔑むあんたが嫌いだった アンタレスの星が瞬いて 見上げる夜空血走る目のあんたも同じだったのかな 世界から爪弾きにされた僕等と刃物を向けるあんたの若い頃の姿が重なって 思考が上滑る

8.17

別離の日から僕は珈琲を 君は煙草を新しい相棒にして 何処か擽ったい心持ちでよく知るはずの互いを知っていく再会の日 涙が地面に落ちるのはそれなりの重さがあるから そうして湿気った互いを僕等は今日も相棒と呼び合う

8.16

日に焼けた少年は小さな部屋で窓を開けて夜空を見上げる茅野市の風は雑木林を駆け抜けて鈴蛙の鳴き声を運ぶ 母の笑顔は正夢 君の笑顔は戒め穏やかな蝉時雨 佇む諏訪の湖面 祭りの後の静けさたるや星の瞬きの恋しさたるや

8.15

中止の花火大会 去年は君と行ったあれが僕等の最後の旅 家族の事 転勤の事理性的には的を射た判断だった 筈だった頭に来るぜ 反吐が出るぜ身勝手な自分に辟易する 蔑んでも後悔は消えない‪せめて遠退く花火に手を振るだけ

郷夢

故郷から 続く道片道 行ったきりこれが 旅ならまだ 中間地点 そうこれは 小休止 僕の 人生において家族との 関係において今だけは 忘れさせておくれ そう懇願していても 貴方達の姿は執拗に寝息を立てた目蓋の裏に 張り付いて離れない 「あなたは私だけの宝…

8.14

誰にも触れて欲しくない胸の内誰でもない人なら触れさせられるでしょうか 忘れられてしまう事の寂しさと安堵と押し黙って握り締める処方箋 自惚れに喝采 野次馬は潮騒夕立にも 花火にも 君の面影を見る内はその時ではない

8.13

人いきれに鈴虫は八つ鳴く相反する正論が ぶつかっては砕ける 皆まで言うまでも無い 曇天を打ち破る怒号を暗澹たる行き先に一条の光を 時間が止まる 糞ったれた世界のど真ん中八つ裂きにされて 震える君の心のままを 吠えろ

8.12

‪君は盲目だ花が花であれるのはひと季節の間だけ湖畔の木漏れ日 日傘を畳んで腰掛けて 日焼け 黄昏れ 尻取り合戦知って取るのは朝ぼらけ 僕なんかと罵ったとき遠く雷鳴が高鳴った それは僕の鼓動だった盲目なのは僕の方だ

泣きたい私は猫を被る

煌びやかな花火と裏腹に盲目な猫は屋根を渡り‬積乱雲に泣き寝入り‬ ‪摺り寄る想いは‪しめやかで‬‪しとやかで‬ ‪終わらせないで‬そのたった一言が言えないまま‬‪僕は今年も夏惜しむ‬ ----- 久々に日記でも書こうかなと。 最近はNetflixやらApple Musicやらに…

8.11

模倣と模倣の掛け算から他に類を見ない結合が発現し世間に認知され 初めて個性足り得る 身から出た錆の成れの果てこそ個性だ人々は知る由も無くフィットニアの葉脈をなぞるばかり だがそれこそ個性が生まれる瞬間なのだ

8.10

音を立てて骨と骨が軋み絡む体温 崩れた前髪思惑の巧妙 魅惑の軽妙 吉祥寺の情事 一存的な見せ掛け逆らう浮力は僕の不慮を浮き彫りにする 僕だけでしょうか並べる肩が歪だと思うのは 自ずと分かる 宵の口 鳥の口端 言葉の端々

8.9

漣 葉擦れ 宛らそれはこの星の呼吸のようでともすれば吹き抜ける風は血潮だろうかそれに僕は両手両腕を広げている 暑さに溶ける誘蛾灯対価を体温で精算する頃には湿気った後悔は灼熱の海に投げ捨てた 東京湾は今日も曇り

8.8

少年は背にナイフを忍ばせる彼を満たせるものなどこの世に非らずと言いたげな表情で見え隠れする反社会性 追い求める理想と立ち開かる真実とその補集合としての虚無とが板挟むのは彼の欲情であり過去の僕自身であった

8.7

寝息転がし 文字捏ねくり回し踏むだけ踏み潰した音韻 見たくない 見たくなんかない月が丸いのも 母の目尻も 君が笑うのも同じ轍を踏みそうだ 引き返せ衝動に腕が捥げ バランスを失い 倒れ込む ここはベッドの上 あれは夏の悪夢

8.6

夏が嫌いと呟いて嫌いな夏ばかりを詩にして遠回しな想いの丈を持て余して 私が言葉を語る程にその本質は捉えどころを失う私が夏を嫌う最たる所以 陽だまりの中 朗らかとして 夕涼みそうして私は筆を走らせる夏を走らせる

8.5

口呼吸に吹き出す汗 上下する肩幅並走するギンヤンマと恋ヶ窪閻魔堂霊園 西国分寺駅はやけに白けてきまり悪い僕は汗拭うや否や自販機のイオンウォーターに縋りつく こんな事ならと嘯く僕を可笑しいと君と夏が笑ったなら

8.4

久しい友に 優しい貴方に 知らない未来に 期待意気込み 雨脚早まり じりじり日捲り柵み泥濘み 足に絡まり 未定未定 この生涯その所在行き当たりばったり 泣き笑い雨空に 祈り誓い幸先この日に 種明かし 全てお芝居 これにてお終い