// 斜に構えた夕結び 徐々に短くなる日行末無く たじろぎ 身動ぎとんずらした路地 自制心を 自律心を対症療法でしかない自己心理それがいずれ自咬病だと気がつく頃には 既に日の暮れた殿ヶ谷戸庭園で雨垂れが傷口に染みていた 一〇〇

// 雲心月性を語る 風鈴の音想いは言葉にしないと伝わらないが言葉にしてはいけない想いもあるもんさ なあ 分かるだろ 久しく取り出した 大学祝いの腕時計は規則正しく秒針を刻んでいた寸分の狂い無く 黙々と 唯その時を待って 一〇〇

// 百聞は一見に如かず 目は口ほどに物を言う その割には非点収差に惑う視界匪石之心として口は一文字 自分を生かす為 押し殺してきた自分へ恨み節には蓋を しかし濡れ衣には刃を そして一思いに致死量のカフェインを飲み干せ 一〇〇