静かに、確かに。

日常の機微を綴ります。

2.20

 

先にお話ししておくなら、

 

今回もamazarashiの楽曲紹介シリーズです。

 

 

今日はラジオJーWAVEにて最新アルバム「ボイコット」から

 

新曲「とどめを刺して」が初披露されました。

 

(めちゃくちゃどちゃくそカッコ良かったです)

 

 

つまりそうです。

 

俺のamazarashi熱が高いのでそれの発散回です。

 

 

前回が原点である「光、再考」の紹介だったので

 

今回は現時点で最新楽曲にあたる「未来になれなかったあの夜に」あたりを

 

紹介しようかなと思います。

 


amazarashi 『未来になれなかったあの夜に』Music Video

 

ツアーの為に書き下ろされた楽曲ですね。

 

 

2018年、amazarashiは「新言語秩序」と言う題で

 

国内外で数々のエンターテインメントの賞を受賞した初の武道館ライブを

 

大成功に納めました。

 

 

しかし一方で、大きな区切りとなる武道館公演でありながら

 

本来多くのアーティストが行うような集大成的なライブにしなかった事は

 

やはり彼らにとっては心残りだったそう。

 

 

 

代わりに全国を回って集大成的なツアーをやると言う意味合いで

 

2019年「未来になれなかった全ての夜に」の表題曲として

 

「未来になれなかったあの夜に」が書き下ろされました。

 

 

この楽曲はamazarashiに関わる全ての方、

 

バンドメンバー、友人、家族、リスナー、音楽関係者など、

 

彼らに関わる全ての人に向けたメッセージソングになっています。

 

 

 

楽曲のテーマである「夜」

 

報われなかった過去の日々を表しているのは言うまでもないですね。

 

 

彼ららしく、それを肯定させる歌でありながら、

 

でも歌詞を読むとめちゃくちゃその夜の事をなじってるんですよね。

 

(「ほらみたろ」とか「くそくらえ」とか「ざまあみろ」とか)

 

 

未来になれなかった「あの夜」の時点で

 

実はふたつの世界線が存在しているんです。

 

 

ひとつは、報われない日々を乗り越えて、幸せを掴んだ未来。

 

ひとつは、報われない日々のまま、幸せを掴めなかった未来。

 

 

でも実際に通る未来はいずれか片方です。

 

 

「未来になれなかったあの夜に」って言うタイトルは

 

一見前者の、幸せになった未来のことを歌った曲に見えるんですが

 

実際は逆なんです。

 

 

未来になれなかったのは、後者の世界線であり、

 

幸せを掴めなかったであろう夜に対して、

 

そんなことはなかったぜ、ざまあみろと否定して前者の世界線を肯定している。

 

 

そんな構造になっているんです。

 

 

つまりはパラレルワールドに向けたお手紙の曲なんです。

 

 

個人的にこの楽曲の中で好きな歌詞がいくつかあるんですが、

 

 

今更弱さ武器にはしないよ それが僕らがやってきたことの

 正しさの証明と知っている 今この僕があの日の答えだ

 

 

醜いとか、足りないとか、それを言い訳にはもうしない。

 

あの日の未来にいる今の自分自身こそが、あの日が正しかったかどうかの答えだ。

 

と言い切っており、その上で

 

 

醜い君が罵られたなら 醜いままで恨みを晴らして

 足りない君が馬鹿にされたなら 足りないままで幸福になって

 

 

過去がどうであれ、そのままの自分で

 

恨みを晴らして、幸福になれ、

 

そうなれなかった未来に向けて

 

 

ざまあみろ

 

 

と罵って、今の自分を、これからの自分を正しいんだと答えを出して肯定している。

 

 

そんな難しく考える必要がある楽曲でもないんですが、

 

改めて構造を覗くと、何故、敢えて周りくどい歌詞構造にしたのか

 

って言うのが見えて来るんじゃないですかね。

 

 

影こそ唯一光の理解者

 

 

どうだろう、彼らは原点である「光、再考」の時から

 

自身のやり方を曲げていない。

 

 

光を歌うにはそれ以上に影を歌う必要がある。

 

希望を歌うにはそれ以上に絶望を歌う必要がある。

 

 

彼らのメッセージソングには、原点から変わらずこの理論が引き継がれ

 

それが周りくどさやとっつきにくさを生みつつも、

 

独特の深みや、納得感を引き出しているんじゃないでしょうかね。

 

 

今回この楽曲を二番目に紹介したのは、

 

過去と地続きの彼らの姿を紹介したかったからです。

 

 

まあでも、来月のフルアルバム公開に合わせて、

 

この楽曲にも対の詩が公開されて、また多角的な楽曲解釈が深まるのだろうけれど。

 

(amazarashiの楽曲はポエトリーリーディング曲以外、全ての楽曲に対となるもうひとつの詩が存在する)

 

 

この曲、最近聴いた楽曲の中でもトップクラスで良い曲だと

 

俺は思うので、ぜひ少しでも興味のある方は

 

聴いてみてください。